アクシオの社会貢献―Dr.カー(移動型診療所)―

Dr.カー(移動型診療所)

Dr.カーとは

 恒常的に医師がいない遠隔地・僻地に、基幹病院などの医師や看護師が乗って、移動型の診療所として移動し、対象となる地域において診察・診断を行い、基幹病院と患者データを共有することで、基幹病院や連携医療機関から遠隔で、地域・住民のニーズに基づくプライマリーヘルスケアをサポートする、”大型の端末診療ユニット”である。
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事業の背景

 スーダン共和国(以下、スーダン)は独立前年の1955年より2005年まで二度にわたる内戦を経験し、また、西側諸国からの経済制裁、累積債務問題等の影響により経済は疲弊し、特に地方部においては十分なインフラ、基礎的社会サービスの提供が行われておらず、国民の生活環境は依然として劣悪な状況にある。
 かかる状況下、保健分野においても、医療インフラ・サービスの不足、医療人材の不足等を背景として、乳児死亡率(対出生1,000 人:60)、5歳以下幼児死亡率対出生1,000人:83)、妊産婦死亡率(対出生10,000人:216) といった各指標は低位にあり、国民のプライマリーヘルスケア(PHC)の向上が喫緊の課題となっている。

事業内容

 本事業は、スーダンの地方部において、住民が保健医療サービスへのアクセスを改善するための手段として、Dr.カーを活用した移動型の遠隔保健医療サービス提供体制を提案するものである。
 本事業を通じて過疎地・無医村地域を含む地域で自立的、持続的に(学校健診を含む)医療サービスが提供される体制が構築されることは、スーダンのように広大な国土を持ちながらも保健医療人材の不足という課題に直面している、アフリカを中心とした他の開発途上国の保健医療体制の整備にインパクトをもたらす潜在性を秘めている。

事業化計画

 ODAによって提供されたDr.カーのコンディションを良好に保つことを担保するために、Dr.カーの車体及び搭載医療機器のメンテナンスを行う会社をスーダンに設立し、Dr.カーを運行するカウンターパートがこの会社にメンテナンスを委託する。同社はDr.カー内の医療機器のメンテナンスを行うためスーダン内に常駐するメディカルエンジニアを擁しており、このリソースを用いてスーダン国内の病院等に多数設置されている日本製の医療機器のメンテナンスも行う計画である。その他にも同社を通して様々な事業展開を想定しており、その具体的事業内容は以下の通りとなる。なお、この事業はスーダンカウンターパートと共同で展開することを想定している。
  • Dr.カー(ユニット)の販売及びメンテナンス
  • 医療機器の販売及びメンテナンス
  • 通信機器の販売及びメンテナンス
  • 電子カルテ等のデータベースソフトの開発及び販売
  • その他関連製品の販売
  • 日本企業のスーダン進出支援
  • スーダンへの日本企業の投資斡旋

Dr.カー運行支援普及・実証

 当社がプロデュースしたDr.カーは、日本医科大学の救急車両にヒントを得て、東日本大震災後の医師不足地域において、巡回診療を行う移動型診療車両として生み出されました。その後、スーダン向けに改良し、4輪駆動の車両に、巡回診療に必要な医療設備を搭載しました。
 本事業で当社のDr.カーが導入されるまで、スーダンの現地医療機関が実施する巡回診療では、コストや患者管理等がほとんどなされていない状況でした。当社は現場のニーズに合わせた「プライマリーヘルスケアのための簡易電子カルテシステム」を開発し、Dr.カーに定着させる試みを行っています。また、Dr.カー運行にあたり、巡回運行管理システム、医師間の遠隔コミュニケーションをサポートするシステムを提供しています。
 Dr.カーを医療機器等のショーケースとして提示することで、医療・ビジネスの橋渡しをしたいと考えています。本事業では、レキオ・パワー・テクノロジー株式会社が開発する簡易超音波画像表示装置を試験導入しています。

<謝辞>

Dr.カーは、平成24年度政府開発援助海外経済協力事業委託費による「途上国政府への普及事業」Dr.カー(移動型診療所)として開始しました。
 現在も平成25年度民間提案型普及・実証事業において『スーダン国Dr.カー(移動型診療所)展開に関する運行支援普及・実証事業』として、継続しています。
 本事業の委託元である独立行政法人国際協力機構(JICA)の皆様、事業趣旨に賛同し、御協力くださっている日本医科大学の二宮宣文先生をはじめ、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。