開発実績

腸内細菌叢をメタゲノム解析
健康状態を可視化・指標化

2021年06月30日配信

背景・要件

近年の健康意識の高まりから、腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれる腸内微生物群集に注目が集まっています。腸内には約100兆個の細菌が生息していると考えられており、腸内にいる善玉菌の割合を増やすことで健康維持・増進に役立つと期待されています[1]。本案件では、着目している特定の職種の集団と健常者の腸内細菌叢の特徴をメタゲノム解析[2]と呼ばれる手法により解析しました。メタゲノム解析により、腸内に含まれる細菌叢を網羅的に分析して、可視化や統計分析を行うことができます。結果として、特定の職種におけるパフォーマンスの向上、引いては対象群である健常者における健康増進に、どのような腸内細菌叢であることが重要であるのかということを分析しました。

丁寧なメタゲノムデータ解析から見えてきなた多様性

着目している特定の職種の方の集団と対象群として健常者の集団から、腸内細菌叢のサンプルを抽出して、次世代シーケンサーと呼ばれる技術を用いて細菌叢データを網羅的に取得しました。次世代シーケンサー登場以前では培養できない菌種を研究することには困難でしたが、次世代シーケンサーを用いることにより網羅的な解析が可能になりました。一方で、以前と比べて取得できるデータ量が膨大になってしまうため、コンピューターによるデータ分析手法を適切に選択して可視化や統計検定を行うことが、有意義な情報を得るためには必要となります。

図、主成分分析結果
同じ集団(同一色)ごとにプロットのばらつきが異なっています。

このプロジェクトが達成した成果や、展望

本案件により、特定の職種においては腸内細菌の多様性が高いということが判明したため、腸内細菌叢の多様性を保つことによるパフォーマンス向上や、腸内細菌叢を改善(多様化)するための健康食品の開発などにも生かされるかもしれません。

参考文献
[1] 厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
[2] 弊社HP「メタゲノム解析って?」 https://www.pictbio.com/tips/3006.html

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